心にしみる顧客満足⑭ ~中村文昭さん~
【14】バーテンデビュー
それから色々なことを料理長から頼まれるようになってきました。
料理長「サル、頼みてぇことがあるんだが…」
中村 「ハイ、やります」(0.2秒)
料理長「おいおい、ハイって、俺が何頼みたいのか分かってんのか?」
中村 「イイエ、分かりません。でも、私は料理長のいうことには“ハイ”と“YES”しか言葉を持ってないんですよ」
料理長「お前、やっぱり変わったやつだな」
そんなことが続くうちに、料理長に食事に誘われました。
料理長「お前、なんでそんなに一生懸命に仕事するんだ?」
中村 「えぇ、ぼくには師匠がいまして、その人にあと3ヵ月少々でバーを開くことを命令されているんです」
料理長「…バーを開く??…3ヵ月ちょっとだ???お前、そりゃ、無理だろう?お前にできるわけない。世の中、なめてるだろ。だって、お前、今まで皿洗いと使いっ走りしかしてないんだぞ!」
中村 「ハイ、そうなんです。だから僕は焦ってるんですよ」
翌日の朝礼で、料理長はみんなに宣言しました。
料理長「今日から中村をバーテンデビューさせる。支配人の下に付けて、バーテンの勉強をさせる。みんなの中には“なんで中村が”“俺の方が順番的に先だろ”と思う奴もいると思う。だけど、俺からのお願いだ。中村を先にバーテンデビューさせてやってくれ。こいつには後、3ヶ月ちょっとしかないんだ。頼む」
中村さんは目頭が熱くなりました。
その日からバーテンデビューしたのです。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。
10 件のコメント
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一生懸命にやっていると、熱意と同時に思いも伝わるのだと感じました。お客様のために一生懸命考えたり、行動したりすることも同じように伝わるんだと思います。
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>聖子さん
相手に自分の気持ちが届いたとき、心にしみたとき、相手は「こいつのために何とかしてやりたい」と思うのでしょうね。
その前の一生懸命の取り組みが大切ですね。
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目標を持ちそのビジョンに向かって一生懸命に行動していると周囲の人に関心を持ってもらえ、夢を聞いてもらえます。夢の大切さトコミュニケーションのすばらしさを感じました。
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>ふぶきさん
これも中村さんの一生懸命さに心打たれたからでしょうね。
今、目の前の仕事を一生懸命に取り組むのは大切ですね。
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自分が一生懸命目標に向かって頑張ることで、周りの理解や信用を手に入れることに繋がります。人に認められることは大変嬉しいことです。
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本気でやるということは相手に非常に良い影響を与えることができます。社内全員がこうなれば、良い職場、良い家庭、良い得意先、良い仕入れ先になっていくと思います。
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読ませていただきました。
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>おじゃるさん
言われる通り、人に認められたら嬉しいですね!
逆に『人を認められる』とこらから始めたら、これもいいですね!
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>パッケージ松浦 明石さん
そうですね!
『本気』を伝染させられる自分でありましょう!
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>矢野さん
今日も読んで頂き有り難うございます!
矢野部長のPSVの本気さ感じます!