心にしみる顧客満足⑰ ~中村文昭さん~
【17】独立から成功へ
独立後、飲食店を開き、半年間猛烈に働き、かなりのお金を稼いだ。
中村 「これだけ稼いだら、今の風呂なし、トイレなし、おんぼろ長屋から卒業できるな。いい部屋に引っ越そう。そうや、車もええのを買おう。」
そう思っていたときに電話が鳴る。…師匠からだ。
師匠 「おお、中村、半年ぶりやな。今から部屋行くからな。」
部屋に来た師匠はこう言った。
師匠 「ええ部屋やな、よし!ええか、お前、絶対に引っ越しするなよ。車も買うな!お前は何のために仕事してんねや?儲けた金は何に使うんや?」
この言葉で、(強制的に)引っ越しも車も禁じられた。
(車は必要にかられていたしかたなく購入するが、5000円の、鍵もかからない、窓もない、オンボロ車)
お客さんはこう言います。
お客 「中村さん、お金稼いでるんやろ?なんであのオンボロ長屋を引っ越さないの?なんで車を買わないの?」
中村 「はい。お金はたっぷり稼ぎました。でも、ぼくにはやりたいことがあるんですわ。お金の使い道があるんですわ。それは、ブライダル界に新しい風を吹かすことです。もっと稼いだら日本の農業を救うんです。だから、それ以外のことにはお金は使わないんです。」
こういうと、お客さんはもっと、もっと、中村さんを応援してくれた。店に食事に来てくれた。
中村さんの心が、思いが、お客さんに伝わったのである。
中村さんは思う。
心がお客さんに届くということが、本当の顧客満足になる。
元気はもらうものではない、出すものだ。
幸せはもらうものではない、与えるものだ。
そうやって経営していると、必ず成功する。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。
6 件のコメント
SECRET: 0
PASS:
中村さんはとても前向きで素直な素敵な考え方をしていると感じました。そして、やはり何事も気持ちを相手に確実に伝える事が信頼への何よりの近道だと思いました。
SECRET: 0
PASS:
>聖子さん
『素直』って素敵ですね!
良いと思ったことを直ぐに行動に移せる人です。
そのような人でありたいですね!
SECRET: 0
PASS:
お金の活用法。有意義な、生きたお金に投資する。
目標をしっかりたてることが大切です。
SECRET: 0
PASS:
>おじゃるさん
大切なお金の使い方、そのための『なんのために』が必要ですね!
SECRET: 0
PASS:
お金を稼いだ理由を再び考えて(私利私欲の為に使わずに)必要最低限に出費を抑え、ブライダル界と農業界への出発を夢見て、その為にお金を貯めるという強い信念こそが、回りまわって、最終的に(何の為に仕事をやっているのか?)に繫がります。ここをしっかりと抑えておくことで、ぶれない自分になっていけるかと思います。
SECRET: 0
PASS:
>パッケージ松浦 明石さん
常に『なんのために』と、目的を忘れないようにしたいですね!