【鳥取代表 平尾とうふ店の油揚げや豆腐の売れ行きはどうなったのか?】
鳥取で老舗の平尾とうふ店。
実は倒産の危機にあった。
主力商品である豆腐・油揚げの売上減少していく。
それ以上に危機だったのは後継者問題。
平尾とうふ店は祖父祖母の創業で、父母が継がなかった。
そこに当時若干25歳の、創業者の孫に当たる平尾隆久さんが
「鳥取を代表するような味を作っているおじいちゃん、おばあちゃんが作った味をなくしたくない。俺が継ぐ。」
と帰って来ることを決意。
平尾隆久さんが社長に就任し、後継者問題はなくなったものの、製造も経営も売上不振も続く。
「パッケージを中心とした商品ブランディングで売上を上げることはできないか?」
「この美味しい豆腐や油揚げを、一人でも多くの鳥取の人に食べてもらいたい」
そんな思いで、パッケージリニューアル、商品ブランディングを行うことを決意、
パッケージ松浦に声がかかった。
<before>
パッケージの分析
三角揚げパッケージ(カリカリした食感)
四角揚げパッケージ(ふわふわした食感)
ポリ袋にシールというパッケージ。
<他社分析>
大体は透明部分の多いパッケージで、「油揚げ」と漢字で書いているものが多い。
<ネーミング>
「鳥取を代表するような油揚げを作りたい」という思いを元に、「鳥取代表 平尾揚げ」とネーミングを決定。
<パッケージ(ラベル)>
「鳥取代表」に相応しい「鳥取県」の形のラベルにする。
<パッケージ(袋)>
透明のポリ袋はあまりにさみしいので、
タートルパックという表が透明、裏がクラフト地のパッケージへ変更する。
<after>
三角揚げパッケージ(カリカリした食感)
四角揚げパッケージ(ふわふわした食感)
見た目の、パッケージの劇的な変化によって、リニューアル発売を2015年10月より行う。
その後、豆腐パッケージへの展開も行われる。
絹豆腐
おぼろ豆腐
木綿豆腐
この鳥取型が平尾とうふ店のシンボルマークになる。
ひと目で「あ、平尾とうふ」とブランド再認を起こす。
またその後、積極的に味も改良。
例えば、ナカセンナリ大豆にリニューアルしたときは、ワンポイントシールを貼る。
自信を深めた平尾社長は積極的に品評会へと出展。
2016年「第1回 中四国でうまい豆腐を決める品評会」では<おぼろ豆腐部門>で銀賞(2位)を獲得。
ワンポイントシールで告知
その後も売上も好調です。
とにかく私が大事にしたかったのは、平尾社長自身の思いで、
「鳥取を代表するような味のおじいちゃん、おばあちゃんの味がなくなるなんて嫌だ。もっとみんなに食べて欲しい」
という思いを、どうやってパッケージ化するのかということでした。
パッケージリニューアル後
取扱店舗が2店舗から5店舗へ増える。
油揚げ 一日平均270枚→330枚と2割の数量増。
豆腐 一日平均150丁→230丁と5割の数量増。
平尾とうふ店の企業イメージも格段に向上した。
こんな風にお役に立ててよかったです!
平尾さん、これからも応援しております!
平尾とうふ店
http://hiraotoufu.com/
鳥取県鳥取市河原町佐貫1206
0858-85-2240
営業時間 9:00〜19:00
定休日 日曜・祝日(GW.お盆は営業)
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。