【意外とできていない「自社の価値」を表現するということ】~売れているオクラパッケージから学ぶ~
せっかく商品自体に価値があっても、伝えないと、伝わらないと、ないのと同じ。
もったいないっすねー。
独自の価値があるのであれば、伝える努力をしないと!
あ、おはようございます。
パッケージマーケッターの松浦陽司です。
パケマツではよく3C分析というのをやります。
お客様(カスタマー)が聞いてきたとします。
「A店さん、B店さん、あなたのお店の商品の特徴や良さはなんですか?」
すると自店舗(カンパニー)であるA店が答えます。
「うちは美味しいよ!」
競合店舗(コンペチター)であるB店も答えます。
「いやいや、うちの方が美味しいよ」
両方の店舗が伝えてるのは「美味しいよ」だけ。
つまり、お客様から見て
「あー、A店もB店も美味しいのね。同じ価値なのね」となります。
そして短絡的に
「じゃあ、安いほうがいいわね」となります。
そう、3C分析の真ん中の赤いところです。
これじゃ、価格競争にどんどんと陥ってしまいます。
だから、ボクがよく伝えるのは
「自社のいいところで、競合他社と違うところ」の大切さ。
そう、図でいうと青いところが大事だって話です。
独自の価値になりますね。
さー、でもこの「独自の価値」ですが、
1)ないなら、創る!
2)あるなら、表現する!
この2つの作業が必要になります。
実は、、、中小企業が意外とできてないのが「2)あるなら、表現する!」です。
せっかくの強みなのに、伝わってない。
いや、それどころが、強みと気づいてもいない場合が意外と多いんですよね。
徳島のキョーエイというスーパーには「すきとく市」という産直市があります。
だいたい、野菜を中心に売っている産直市。
パッケージは無地のものが多い。
書いてあっても「おくら」「にんじん」「きゅうり」などの品種名。
がんばっているところで、産地を書いたり、生産者を書いたりしているのが多いですね。
その中で、よく売れているオクラがあります。
それがこちら!
「イチハラ農園 朝採りおくら」
最大の特徴である「朝採り」をネーミングに入れて伝えてます!
これでよく売れているそうです。
でもね、ちょっと考えてみてね。
産直市なんで、基本的にはどの商品も朝採れているんですよ。
そう、なのに誰も表現してない!
お客さんにとってはこれが「欲しい」って強みなのに!
こんなことってよくあることです。
ぜひ自社の商品をもう一度よく見てください。
そして、周りの商品が一体どんなだろうか観察してみてください。
その上で、お客様を見てください。
ひょっとしたら、自分が「そんなん当たり前やん」ということをお客さんが欲しがっているかも?
しかも、競合が表現してないかも。
ちなみに、実際にキョーエイすきとく市に買い物に言った小松さんのお話です。
「すきとく市の青果物売り場で、鮮やかなオレンジがとっても目立ってました。
“朝採り”という文字で“あぁ~、とっても新鮮なんだ”と思って買いました!」
伝わってよかったです!
今年もそろそろ、キョーエイ各店の“すきとく市”で販売していると思います。
ぜひ、お買い求めくださいね♪
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。