【スーパーやまとから学ぶコロンブスの卵的ヒット商品の生み出し方】
こうして店は潰れた
~地域土着スーパー「やまと」の教訓~
心して読ませて頂きました。
おはようございます。
パッケージマーケッターの松浦陽司です。
いきなり「破産手続きを開始する」という書き出しで本文が始まるこの著書。
華々しいサクセスストーリーでないだけに、ボクも身につまされる内容。
地域土着を謳うだけに、地域のために?お客さんのために?
常に先頭を切って、努力してきた小林久さんの生き様をまざまざと感じました。
・・・で、書評を書こうと思ったのですが、
単なる書評ではボクらしくないので、パッケージの観点で書評させて頂きます!
この「スーパーやまみ」の名物弁当が「298円」弁当だったそうです。
文章をP122より抜粋すると
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(他社は)「これじゃ298円で売れるわ」という価格だけが安い弁当ばかりで、おそらく外注商品だろう。
これではお客さんにサプライズはない。
(中略)
一方、やまとの弁当は片手で持つと、ご飯の重みで斜めに入った仕切りから折れ曲がる。慌てたお客さんは、もう片方の手でそれを支える。そしてその「ずっしり重い価値」を体感するのである。
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そうなんです。
「パッケージが折れ曲がる」という体験によって、お客さんが価値を感じているんですね。
「パッケージはしっかりしてないといけない」という固定観念とは違います。
またこんな文章もP125より抜粋すると
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もちろん、ご飯が多過ぎるというお客様のご意見は、真摯に受け止める。すぐさま、その半分サイズの「150円弁当」を開始した。
容器も半分、ご飯も半分、豚カツもハンバーグも赤いウインナーも全部半分、そして価格も半分。作業工程は変えずに済むし、新たなアイディアもいらない。ただ半分の量にするだけなので、現場も受け入れてくれた。
よく売れた。
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そうなんです。
「パッケージを半分にする」だけでも立派な商品開発なんです!
これって、コロンブスの卵じゃないですか?
以上が、ボクがこのスーパーやまとの本から感銘を受けた、パッケージマーケティング書評でした!
この本の編集担当の笹井さん。
ブログで紹介してくれた増澤美沙緒さん。
ありがとうございました。
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2018年10月2日(火)
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この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。