コミュニケーションの手法 ⑧ IメッセージとYOUメッセージ
【8】「Ⅰメッセージ」と「YOUメッセージ」
貴方が言われて嬉しいのは、どちらでしょう?
A:「お前、やるやないか!すごいやないか!」 YOUメッセージ(主語があなた)
B:「君が、○○してくれて、私は嬉しい!」 Iメッセージ(主語が私)
Aも言われて嬉しいです。
しかし、これは「評価」が入っております。年上(上司)から、年下(部下)には言いやすいのですが、逆だと受け入れにくいのです。万人受けしないのです。
部下「部長、やるじゃないですか!」
部長「お前みたいな若僧に言われたって嬉しくないわ。偉そうに言うな。」
→ 素直に受け取れない。
また、もの凄く遠慮深い人、もしくは素直でない人も受け取りにくいのです。
部長「お前、やるやないか!すごいな!」
部下「いやぁ~、私なんてすごくないですよ。たいしたことないですよ」
→ 受け入れてもらえない可能性があります。
これがBだと、相手が年上でも伝わります。万人に伝わりやすいのです。
部下「部長、こんな実績残したんですね!私は尊敬します!」
部長「あぁ、有り難うよ。」
部長「お前がお客さんのために業務改善してくれて、私は嬉しいよ!」
部下「有り難うございます。」
AとBで、何が違うかというと、主語が違います。
Aは「あなたが(YOU)」が主語。
Bは「わたしが(Ⅰ)」が主語になっています。
全てに対して、受け入れられやすいのが、「Ⅰメッセージ」です。
なぜなら、「君がこうしたから、私は嬉しい」の「嬉しい」という感情は、発言した人の感情であり、相手も受け入れるしかないのです。
有名なところでは、小泉純一郎元首相が、若乃花に「痛みに耐えて、よく頑張った!(私は)感動した!」と言ったのは、完全にⅠメッセージです。
モテル女の子はIメッセージが上手いです。
ちょっと想像してみてください。
女性から言われるのはどっちの言葉が嬉しいですか?
「あなた、カッコいいですね」(YOUメッセージ)
「あなた、私のタイプです」(Iメッセージ)
「叱るとき」にも、Ⅰメッセージが応用できます。
「お前、ちゃんとお客さんを向いて仕事せえ!」(YOUメッセージ)
「君が、お客さんを向いて仕事をしてくれないと、私は悲しい」(Ⅰメッセージ)
Ⅰメッセージを使って、感情を伝えることが大切です。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。