<「老舗の4代目として」日乃出本店 西川弘祐社長の倫理法人会講話>
2018年5月31日(木)
徳島眉山倫理法人会にゲスト参加させていただきました!
講話は日乃出本店の西川弘祐社長!
「老舗の4代目として」
日乃出本店さんは創業1914年。
つまり、今年は104周年。
初代の西川芳太郎氏が銘菓ぶどう饅頭を作りました。
西川さんが初代芳太郎氏のびっくりエピソードを教えてくれました。
今では有名なこの「壱億円札」!(=日乃出幸運券)
初代の顔を使っての販売促進ツール。
これは100年前は大変珍しいものだったそうです。
ちなみに100年前は壱万円札だったそう。
時代はまだこれからホンモノの壱万円札が発行される前。
つまり本物の壱万円札よりも、早く日乃出本店の壱万円札が発行されたってこと。
そして、ホンモノの壱万円札が発行された。
ただ、今みたいにニュースで、新聞で、テレビで、SNSで、画像がシェアされる時代ではない。
だから、本当に使っちゃった人が出てしまったそうです。
だって、誰もまだ本当の壱万円札を画像で知らない時ですから。
当然、初代芳太郎氏は警察にしょっ引かれてしまいます。
「こんな偽札を作ってけしからん!即刻、やめなさい」
ただ、芳太郎氏はこれに対して強く反論したそうです。
「刑事さん、これは単なる幸運券じゃないんだ。
お刺身を食べる時に大葉やツマがあるから美味しいんじゃないですか?
ぶどう饅頭もこの幸運券があることで、楽しさを買ってもらってるんです。
お客さんが喜んでくれるんです。
単にぶどう饅頭を売るんじゃなくって、お客さんに楽しんでもらいたい!」
今で言う「モノ売り」ではなく「コト売り」を、100年前からしていたなんて。
すごい先見性ですね。
その後、二代目は販路を広げ。
三代目は「茜庵」を設立。
とにかく、イノベーションを起こしまくっているのが伝統の日乃出本店さんです。
四代目・弘祐氏は「朝茶会」を始めました。
毎月15日の朝7~8時の間、お店のある穴吹駅真ん前でその日の作りたてお菓子を振舞うという会です。
なぜ、こんな取り組みを始めたのかというと、日本の和菓子の未来を心配してとのこと。
「和菓子を食べない世代が育って行けば、当然近い将来、誰も和菓子を食べなくなる」
この朝茶会には、穴吹駅前ということもあり、
多くの高校生が和菓子を食べてくださるそうで、徳島に、日本に、和菓子文化を伝える素晴らしい取り組みをされています!
西川さん、ステキなお話をありがとうございます!
あ、青木さんと石橋さん、こんな朝早くからお会いするとはっ(笑)
日乃出本店
http://www.budoumanju.com/
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。