ぶどう饅頭で有名な日乃出本店の西川弘祐専務が語る!
みなさん、こんにちは。
盛和塾ではブラッシュアップ自主例会を担当している松浦 陽司です。
5月20日に、日乃出本店の西川弘祐専務の経営体験発表が行われました。
そのダイジェストです。
「4代目としてこれから何をするべきか」
ぶどう饅頭で有名な創業97年の老舗である日乃出本店。
その4代目候補として、西川弘祐専務は入社します。
入社当時はできるだけ早く会社に溶け込もうと、
祖父母の住んでいた会社に寝泊まりして、掃除や仕事に取り組みます。
以前に修行していた会社と、日乃出本店のギャップに悩みます。
「これでは社員さんが幸せにならない」と、いろいろと提案します。
しかし、受け入れられず、衝突を何度も繰り返します。
それでも、現状はよくなりませんでした。
そのような悩みを抱えていた時に、盛和塾へ入塾しました。
盛和塾で、「全従業員の物心両面の幸せ」という言葉を学びます。
また、共に学びを実践している人から学びます。
西川弘祐専務は、自分の「利他」が如何に小さいかと気づかされました。
以前に周りの人と衝突を繰り返したのも、「社員さんの幸せのため」とか言いながら、
実は「私は頑張っている」ということをアピールしたい小さい利己心であることにも気づきます。
「このままではいけない!」
そう思っている時に事件が起こります。
「将来は私の右腕になってほしい」と思っていた社員さんの退社です。
仕事にやりがいを持ってもらうことができずに退社してしまいました。
また若手の社員からも、「このままでは結婚に踏み切れない」
と辞意を告げられます。
「全従業員を物心両面の幸せを実現する!」
「動機善なりや、私心なかりしかの精神で経営をする!」
そう決意し、理念とビジョンを打ち立てました。
理念 「小さなお菓子で、大きな笑顔」
※ 私たちは、お菓子作りという仕事を通して喜びと笑顔を提供します
※ 私たちは、お菓子作りという仕事を通して美しい日本の伝統と文化を守り伝えていきます
※ 私たちは、安心して楽しく働ける会社作りを目指します
ビジョン グループ売上10億円 平均年収400万円!(年齢×10万円)
社員さんの物心両面の幸せを考えた理念とビジョンです。
その後、ぶどう饅頭をより身近に食べて頂こうと、3本入りのぶどう饅頭を発売。
また、和菓子文化の伝承のために、毎月、朝茶会を開催。
小学生の間から和菓子に親しんでもらおうと、小学校の工場見学を受け入れたり、給食に使ってもらったりしています。
ここから先は私(松浦 陽司)の所感ですが、
西川弘祐専務は入社当時、自分が「ええかっこ」するために仕事をしていたのが、
次第に社員さんの幸せや、お客さんの笑顔を目的と経営するようになり、
そして、現在では和菓子文化の伝統を守り、伝えるために仕事をされているのだと思いました。
自分だけが良いという利己の精神から、
やがて、自分の身近な人から順番に、関わる人を幸せにしたいという利他の思いが育ってきて、
そして、戦略として実践されているのだと感じました。
私も「関わる人をみんな幸せにする」大きな利他の心で戦略を実行してきます。
西川弘祐専務、素晴らしい発表を有り難うございました。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。