【ターゲットを絞り込んで年50万個のヒットになった元祖羽田空港ひとくちおこわ】
【ターゲットを絞り込んで年50万個のヒットになった元祖羽田空港ひとくちおこわ】
おはようございます。松浦 陽司です。
お客さんに貴方の商品を「選んで買ってもらう」のに、重要なポイントが5つあります。
① 絞り込む
② 売り込まない
③ 「好き・楽しい」を発信する
④ ストーリーを語る
⑤ 新たな意味づけをする
その今日は1つ目の「絞り込む」です。
突然ですが、質問です。
貴方が開発した商品のターゲットは誰ですか?
「うちの商品はとてもよい商品です。みんなに買ってもらいたい。」
こう答える方も結構いらっしゃいます。
欲張ってしまう気持ちはよく分かります。
でも、これじゃダメですね。
「えぇ~と、25~35歳の女性です」
こんな感じでも、ターゲットが決まっている場合もあります。
でも、こういったターゲットの決め方も、効果が薄くなってます。
25~35歳の女性がみんな、同じ価値観、同じ趣味、同じ服を着ているか?
そんな訳ないですよね。
100人が100人違います。
趣味の多様化、価値観の多様化によって、ターゲットをもっと絞る必要があるんですね。
「元祖羽田空港ひとくちおこわ」という商品があります。
年50万個売れている大ヒット商品です。
昔は「松坂牛ひとくちおこわ」というネーミングでしたが、思ったより売れませんでした。
そして【絞り込み】を行いました。
「出張が多く、よく一人で羽田空港を利用する40歳の女性管理職」
おお~。
ターゲットがものすごく明確になりましたね!
絞りこまれました!
すると、パッケージが変わります。
3個入りの食べきりサイズのパッケージ。
もちろん、個包装になっていて、手を汚さずに食べれるように工夫されています。
パッケージで販売促進しようという考えで、パッケージに
「飛行機に乗る前に搭乗ゲートの近くのベンチでカンタンに食べれるおこわです。」
と明記しました。
女性管理職の人がさっと食べれるようなイメージをしっかりと伝えたんですね。
さらに、一人で食べる時は何か読みものがあった方がいい。
パッケージを開くと、内側に「おこわと炊き込みご飯の違い」とうちょっとした読み物を印刷してます。
さらにさらに、「意外と知らない羽田空港の豆知識はこちら→QRコード」という印刷もされております。
いやー。
ターゲットが絞り込まれると、様々な工夫が生まれますね。
ネーミングにも限定感!
また、もともと羽田空港の限定商品でした。
だからネーミングも「松坂牛ひとくちおこわ」から、「元祖羽田空港ひとくちおこわ」にしました。
場所も【絞り込み】ました。
羽田空港でしか売らないんだったら、商品名に「羽田空港」がある方がいい。
特別感、限定感が出る訳です。
羽田空港に来ている人にとって、目を惹くようになります。
結果、現在は年50万個も売れる大ヒット商品になりました。
どうです?
【ターゲットの絞り込み】
非常に大切ですよね!
「選んで買ってもらう」のに重要な5つのポイントの1つ目でした。
① 絞り込む
② 売り込まない
③ 「好き・楽しい」を発信する
④ ストーリーを語る
⑤ 新たな意味づけをする
②はまた後日。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。