【お客様にとって「記号化」されてしまった商品は、もはや選べないのです。お客様が可愛そうです。】
パッケージデザインで気をつけること。
デザイン案を見て「サイコー!」と思って作っても、店頭に並べたら埋もれることがあったりします。
「この商品がどんな状況で販売されているか」も考えたほうがいい!
・・・いや、必須ですね!
あ、おはようございます。
世界初、徳島発、パッケージマーケッターの松浦陽司です。
お土産物のご当地ラーメンとか見てて、思ったりしませんか?
「似たような形状のパッケージで売ってるな~」
はい、あれは「製造メーカーの都合」なんです。
実はラーメンなどの麺類のお土産物は、
違うのれんのラーメン屋さんの商品なのに、同じ製造メーカーで作っていることが多いのです。
そこの持ち型などを使っているので、同じような形状のパッケージになるんです。
しかも、製造メーカーは同じように作ればいいので、製造効率も楽なんですよ!
・・・あ、こんなに暴露しちゃっていいかな?
まあ、そんなに見られてないから大丈夫でしょう(笑)
さらに話を続けると、ネーミングも一緒に見えてきませんか?
例えば徳島で言うと「徳島ラーメン」が代表的なのですが、
これだと区別がつかなくなるので、屋号をつけます。
「××屋の徳島ラーメン」
「●●亭の徳島ラーメン」
うん、ちょっと区別がつくようになってきたかな?
じゃあ、デザインは
「お店の外観か暖簾」
「ラーメンアップ」
「大将の写真」
こんな感じですよね。
うぅーん、また一緒のようになってきましたね。
もはや、こんな感じのパッケージでは埋もれてしまう。
お客さんにとって
「徳島ラーメン」も「××亭」も「大将」ももはや記号!
選べるポイントじゃないんです。
お客さんが選べないなんて悲しいですよね(泣)
そこで「ストーリーを伝える」ということが大切です。
例えば、こんなのいかがですか?
「愛媛の真面目な田中さんが一念発起し15年3ヶ月の歳月をかけて作った味噌煮込みうどん」
ぐあー!
ストーリーを感じますっ!
ちょっと話はラーメンから味噌煮込みうどんにずれてしまいましたが、
こういうことです。
「ギノーミソ(愛媛)の田中さんが
名古屋で味噌煮込みうどんを食べたとき、
麺があまりにも固かったので、
「もう少し煮込んでください。」と伝えると
「おみゃーには食べささん」と一蹴・・・
本気で腹が立ったので、一念発起し、
苦節15年と3ヶ月かけ完成させた」
という話を聞いたとき、
もう、ネーミングはこれしかないということになりました!
こうやって商品のストーリーを伝えていくことって本当に大事です。
ストーリーがないと、お客様は選べないのです。
義農味噌株式会社(ギノーみそ)
http://www.gino-miso.co.jp/
〒791-3195
愛媛県伊予郡松前町永田345-1
TEL 089-984-2135
FAX 089-984-7300
担当:廣川宛
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。