【ポジショニングを考えて、競合と土俵をずらして、戦うこともしない。「やくそく庵」パッケージ開発ストーリー】
おはようございます。
世界初、徳島発、パッケージマーケッターの松浦陽司です。
よくやっちゃう「同質化競争」というのがあります。
「よその居酒屋が生ビール半額なら、うちもやるぞ!」
「近所のラーメン屋が平日50円引きするらしい。うちは100円引きだ!」
うんうん、よくわかります。
その気持ちも。
でも、ちょっと「ポジショニング」という考え方をしてみてはいかがですか?
例えば、パッケージ松浦が関わらせて頂いた事例で
「やくそく庵」という医療用ストッキングメーカーの東光(メディックス)が、
一般向けに「むくみ・疲労回復」などの効果を狙って開発した商品があります。
ライバルはもちろん、有名なストッキングメーカーということになります。
ポジショニングを考えてみましょう!
「若い女性」に「お洒落」で挑むのは「不毛地帯」かな?
ちょっとライバルが先を行き過ぎてます。
「安い」や「買いやすい」でも勝負してはいけません。
だって、ちゃんとした医療メーカーが作ってます。
ある程度の値段はしますし、また大手流通に乗らないので、ネット販売だけで買いにくいのです。
それじゃ、売れるわけがない!?
いやいや、ポジションをずらしたらいいんですよ!
有名メーカーも「着圧」「むくみ」は謳ってたりするんですが、
実は医学的見地(論文など)はなく、自社調査だったりします。
着圧も東光とは圧倒的に違う。
だから「医学的見地あり」×「疲労むくみ効果大」のポジションで行こう!
多彩な柄つきは技術的にできないけど、無地なら強みを発揮できる!
「着圧強」×「仕事をしている女性」のポジションで行こう!
こんな感じ。
それでこの間も登場したペルソナ「田中朝子さん」の登場!
アパレルで忙しく働いて休みもろくにとれず、足のむくみに悩んでいる女性です。
この田中朝子さんの心に響くパッケージのポジションとは?
「リアル」な写真がでて、緻密に「商品紹介」しているのが競合。
だったら、「イメージ」を伝えるデザインにして「お疲れ様です」というシーンを表現しよう。
「人物」(モデル)がでて、ストッキングの「性能」を伝えるのが競合。
じゃあ、「動物」を使って、「癒し」を演出したらどうだろう?
こんな感じでデザインが進んでいきます。
うーん、「動物ってなんやねん!」と突っ込みたくなります(笑)
そして、2種類のデザインを提案!
一つ目は「うさぎ」でした。
これもけっこう、いいでしょう?!
二つ目が「ねこ」でした。
なんか、癒しを感じませんか?
・・・ということでデザインは進み、最終校了したデザインがこれでした!
こんな風に、パッケージデザインを進めて行ったんですね!
おかげさまでかわいいパッケージができました!
よく見ると、ねこちゃんが肉球で足をマッサージしているの、わかりますか(笑)?
ポジショニングを考えると、打ち出し方は全く変わってきますね~。
ねこちゃんに癒されたいあなたは、下記のHPを覗いてみてね!
株式会社メディックス
担当 上野ひとみ
徳島県徳島市応神町吉成字西吉成42番地
Tel 088-683-3456 (代)
Fax 088-683-3455
E-mail t.toshimitsu@toko-inc.co.jp
会社 http://toko-inc.co.jp/
商品 http://www.yakusokuan.jp
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。