【おもしろきこともなき世をおもしろく 一粒千円の苺「ミガキイチゴ」は、それだけで儲かるわけじゃない!】
あなたはイチゴが「一粒1000円です」って言ったら買いますか?
「なに言ってんだよ、高すぎるわー」
「えぇーー、そんなに高級なのには理由があるわね、知りたい、買いたい、食べてみたい」
「自分用には買わないけど、話題になりそうだから、あの人への贈り物になら」
きっと様々な反応があるかと思います。
さて、そんな一粒1000円のイチゴは本当にあるんです。
ミガキイチゴ
「イチゴ一粒を、1カラットの宝石に」とう思いで開発された商品だそうです。
もちろん、パッケージにも見事な高級感!
通常のイチゴでは有り得ないほどの輝かしいパッケージです。
さて、このミガキイチゴ。
ネットや百貨店などで販売され、日本からも世界からも注目されているわけです。
「じゃあ、この会社はミガキイチゴですっごい儲かってるんだね」
・・・というと、ちょっと語弊があるそうです。
こちらの一粒1000円のミガキイチゴは、収益のホンの1%だそうです。
実際に一日に数万個収穫して、トップブランドのミガキイチゴは10個も取れないそうです。
これじゃ、これ単品で儲かる商品になるはずもない。
ただし、このトップブランドのミガキイチゴがあるおかげで、
セカンドブランド、
サードブランドの商品にも効果があるそうです。
「ミガキイチゴの下のブランドを取り扱いさせてください」
と販売店の方から問い合わせがある。
あるいは
「普通、サードブランドのいちごは1パック398円だけど、うちのは498円で売れる」
などです。
トップブランドを1%確立することで、
営業しなくても、お客様から問い合わせがくる。
そして、ブランド価格をONして売れる。
そんな風になるんですね。
ちなみに、セカンド、サードブランドのミガキイチゴは、
パッケージは「透明のフードパック」だそうです。
そして、スーパーで売られているそうです。
実はこっちの方が数万個取れる、もちろん収益の源泉ってわけです。
ボクは時々、食品や農産物をしている経営者に感じることがあります。
「とにかくいいもの、とにかく思い入れのあるものを作ろう」
自社のトップブランド商品だけが、「作りたい商品」で、
あとの商品はどうも「作りたくない二流品、仕方なく作っている」と感じているような気がします。
「思い入れのない商品をイヤイヤ作っている」
うん、でもボクは違うと思うんですよ。
二流品、、、って言ったら言葉も悪いので、「セカンドブランド」って言いますけど。
セカンドブランドの商品にも、ちゃんと経営者が目的・意義がはっきりあるんだど!
ミガキイチゴの場合は、セカンドブランド商品のお陰で
「トップブランドのミガキイチゴにさらに投資できる」
「新しい商品開発をするための資金になる」
「なにより、収益の源泉になる!」
一律に同じような商品ばっかりつくると相乗効果はない。
でも、自社の商品でもランクを作る!
このことで
トップブランドの商品(輝かしい商品、ミガキイチゴなら高級パッケージを百貨店)と、
セカンドブランドの商品(ミガキイチゴなら透明フードパックをスーパー)と、
相乗効果をもたらすんですよね!
こんなことを考えていきましょう!
そしてなにより、自社の商品に誇りを持ちましょうーーー!
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。