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2018年01月13日

<いろどり横石知二社長の講演!「単なるモノづくりではダメな時代、価値をつけて、届けないと!SNSという時代、ぜひ挑戦をしてくださいね!」>

おはようございます。
最近、休日に起きるのが遅くなってる松浦陽司です。
まだ正月ボケかな??


さて
2018年1月9日(火)は、青森県りんご協会69名の方と一緒に「いろどり」様へ訪問!
横石知二社長のお話を聞かせて頂きました!
久々に聞いた横石社長の話にボクは膝が震える思いでした。

徳島の上勝という超田舎で、おじいちゃん、おばあちゃんが葉っぱを売ることで有名な会社「いろどり」。
今では「そうだ、葉っぱを売ろう!」なんて著書が出てたり。
人生、いろどり」なんて映画化されているすごい会社!


ところが、最初は散々のスタートだったそうです。
大阪の寿司屋さんで「もみじの葉っぱが綺麗」と女性たちが話しているのを聞いて「これはいける!そうだ、葉っぱを売ろう」と決意!
上勝に戻ってその話をすると、もう大反対の雨嵐!
「あんた、あたまおかしいんと違う?葉っぱを売るなんて、たぬきや、狐じゃないんだから」
「お前は農業を馬鹿にしとんか?落ちているのを拾って売るなんて乞食がするもんか?」
でも横石さんは「それは違う、地域にあるものが宝なんだから」と、たった4人のおばあちゃんだけを味方にして始動したそうです。

ちなみに「いろどり」ではおじいちゃんやおばあちゃんがパソコンやタブレットを使いこなすことで有名!
このもともとの発想は「コンビニの仕組みを農業に組み込めないか?」と考えたからだそうです。

だから10数年前に、高齢者へのパソコン導入を決意したのですが、おじいちゃん、おばあちゃんが相手ですから。
「賛成0」で否決されたそうです(笑)
まあ、そりゃそうですよ。
70才、80才以上の人ばっかりで、使ったことない人ばかりですから。
でも、仕組みや操作方法を工夫して、使ってもらうことに成功したそうです。


横石さんは言います。
「だいたい賛成意見が多いのは、誰でも思いつく。会議で賛成100%ならやらないほうがいい。会議で“なんでこんなことするんや、アホちゃうか?”って意見が出てくるようなモノは、誰もやってないから面白い。反対は出て当たり前」
うーん、言うのは簡単ですが、いざやるとなったら大変なことですよね。
でも、なるほどです!


青森県りんご教会の方に向けて、普段されない、「どうやって農業で儲けるか」って話もしてくださってます。
「情報と仕組み大事!」

いろどりの受注の仕方は、受注してから葉っぱなどを収穫に行って、納品する。
つまりは、受注生産。
要するに、1パックたりともハズレがない。ロスがでない。

よくある農産物の形態としては、「これだけ作ったから、買ってね」という生産販売。
一生懸命がんばっても、市場が欲しがっている数を合わなければ、ロスを出る、廃棄がでる。
そうなる前に安売りしてしまう。悪循環。

なぜ、受注生産ができるのか?
それはやっぱり「情報と仕組み」
スマホ、LINEで同時に情報が繋げるような仕組みを組んでいるそうです。

横石さんは言われます。
「いらないものをいらないところに出すと安く叩かれる。だから、必要なところに必要なところに出す。すると定価で売れる。口で言うんじゃなくって、LINEで言うと一瞬に全員に伝わる。」
「モノづくりは一人で絶対にできないのに、関わっている人の時間が違うことが多い。仲卸は早朝、市場は昼間、農協は9時~17時など。それなのに、一人の担当者で情報共有は無理。LINEで一斉に全員で見れたら大丈夫。」

このような情報共有によって、農家さんが安く買い叩かれるのを防ぎ、定価販売できているのだと。
だから、70数歳のおばあちゃんが、年商1600万円売り上げたりもできるのだと。
うーん、すばらしい。

他にも
「同じ広さの畑で延々同じ作物を作るんじゃなく、品を変えてみる。すると同じ一反で数倍の売上になる」
「キログラムでの販売は考えない!1枚、1個でどのように売るかを考える」
「“赤の秀の2Lりんごです!”と販売するのではダメ。そんな言葉はお客さんは知らない。どんな風に使うのか、“このりんごはこんな風な料理に使うとめっちゃ旨い”と伝える」
こんな風に、どのように価値を伝えるのかの大切さを語ってくれました。


さらに横石社長は問われます。
「“いいものを作れ”ってよく言うけど、“いい物”ってなんなの?それはね、品質がいいんじゃない、形が揃ってるんじゃない、“売れる物”が“いいもの”なんだよ!」
うわっ、なるほどなー。ズバっときました。
そして、「いいもの=売れる物」を作るために「価値をどう作るか?」を考えないといけないんですよね。

時代の変化についても語ってくれました。
「SNS、Facebook、Twitter、LINEなどを活用せよ!」
なぜ、いろどりが市場と直で仕事ができるかと言うと、「それはSNSです」と横石社長は言います。
宣伝してないけど、SNSでものを買うような時代に変わってるということです。

東京の有楽町のマルシェで農産物を売る時に、横石社長はSNSで発信します。
すると、2~3割のお客さんは、横石さんのSNS発信を見て来るそうです。
ある日、台風がたまたま当たってしまった時、他のお店がガラガラでも、横石さんの店舗だけ売上がったそうです。
やっぱりこれも「情報に価値がある」ってことなんですね。

ちなみに、ここでもちゃんと価値を伝えて販売しているそうです。
大抵の有楽町マルシェに出ているお店がモノを伝えている。
「いらっしゃいませ、これどうですか?」
これでは売れない、これは挨拶の言葉です。
だからこそ、使い方の提案をする。
「これは焼いたらうまい、オリーブオイルで焼いたらサイコー」
これで価値が伝わるんですね。


そして「松竹梅戦略」の話も面白かったな。
メニューが2拓ではダメで安い方を頼む。
竹 2割
梅 8割 こんな感じ。

まず3拓にするだけでも売上が上がる。
顧客心理で、真ん中を選ぼうとするし、高いのを頼む人もいる。
松 3割
竹 5割
梅 2割

さらに、この松竹梅の役割分担はこんな感じ。

松 光り輝くもの 情報発信力が大きい ※これは絶対にいる
竹 稼ぐもの
梅 広げるもの

多くの農家は「松」の「光り輝くもの」だけを作ろうとする。
それは絶対にいるのですが、それだけで稼げるわけじゃないんですよね。
そう言う「光り輝くもの」は生産効率がめちゃめちゃ悪く、1000個に1個、10000個に1個とかなっちゃう。
稼げるわけがない。
だから、「竹=稼ぐもの」や「梅=広げるもの」が必要なんだと。
なるほどなー。


締めの言葉はこんな感じでした。
「全てのことを自分ごとにできるかどうか」が人生において大切だと。

「まあ、このままでええわ」と思っている人が、そのようになる。
「絶対稼いだる!」と思っている人は、そのようになる。
この感性の違いが差が生まれる!
「きれい事」じゃない「自分ごと」になるかどうか?
それが大切だと。

「単なるモノづくりではダメな時代、価値をつけて、届けないと!SNSという時代、ぜひ挑戦をしてくださいね!」
横石社長、感動的な講演をありがとうございました!
ボクもパッケージ屋として、お客さんの商品の価値を高め続けていきます!

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この記事を書いた人

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パッケージマーケッター 松浦陽司

1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。

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