【東京五輪ロゴは一般選考だったけど、あれはフェアだったのか?】~勝率を上げるパッケージマーケティング~
さて、色々ありましたが、2020東京オリンピックエンブレムって、一般選考で決まりましたよね。
選ばれた審査員が最終選考に4候補残してからの最終選考。
果たしてABCDのこの4つ。
勝率は各1/4ずつだったのだろうか??
これはこの間のキングコング西野亮廣さんのセミナーで言っていたことなんですけど、
決して、勝率は一定ではなかったといいます。
1:多数
1:全員
この状況を作ることで、勝率は格段に上がるとのこと。
じゃあ、さっきの東京オリンピックロゴマークの先行の話。
この4拓でしたね。
西野さんは語りました。
「圧倒的にAの勝率が高い。
具体的にはAは1/2で、あとのBCDの3つが残り半分を分けあってるから各1/6だ」
この理由はこんな感じでした。
Aは白黒(正確には白紺)のデザイン。
BCDはカラフルなデザイン。
明らかにAだけ特異なデザインになっている。
モノクロか、カラーかの2拓だ。
実際には4拓ではなく、A対BCDの構図になってる。
つまり、勝率は1/4ずつではなく
モノクロのAが1/2。
その他カラーのBCDが各1/6ってこと。
だからこそ
1:多数
1:全員
の構図を作る。
四面楚歌の状態を作ると、極めて勝率が高くなっていくということ。
事実、キングコングがテレビでまだコントをやっていた時代は
ボソッと言って、ドカンと受ける、「ボケの切れ味」が圧倒的多数だった。
だから西野さんのキングコングは
「ボケの切れ味は要らない。そうじゃなくって、ボケの数で勝負する」というスタンスを取った。
そうすると
「ボケの数:ボケの切れ味」の構図が「1:9」になった。
キングコングの勝率は1/2で、
残り9組みは1/18だった。
だから勝てたということ。
うーん、考えてるな。
つまり、村八分に合うように自分をデザインしていく。
もちろん、かなりの勇気はいるし、バッシングは浴びる。
でも勝率は上がるという考え方。
基本的には「同じ競争に参加しない」という。
まあ、戦略とは「戦いを省略する」って書きますけど、その通りの戦い方をしてたんだな。
さすが、面白いなー。
実はパッケージマーケティングでも同じことが言えます。
メグミルクって牛乳のパッケージなんですけど、赤のパッケージって、いわば牛乳業界では異常なわけです。
売り場で目立ってる!
1:多数の状況を作ってます。
これで勝率を上げているんですね。
徳島ぎょれんさんの「ひじき」もそうです。
ひじき売り場は圧倒的に海山物色である青、白、緑、黒が多い。
その中でこの朱色は映えますよーーー。
パッケージを考えるときに色も大切な要素ですねーー。
西野さん、ありがとうございました。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。