【サルでも解るレジ袋有料化問題】~それでも「うちは無料で配りたい」というあなたへ~
目指すべきは、全体最適なのか、部分最適なのか?
レジ袋は2020年7月1日以降、全面的に有料化です!
今日のブログは、2日前のパケTube!
「レジ袋有料化問題~それでも無料で配りたい?~」をテキスト化してみました。
少し、プラスαの情報も記載しております。
ちょっと、今日は1800文字超えで長いので、面倒だったらパケTubeを観てくださってから、
最後のイオンネタだけ読んでくださっても大丈夫です。
<有料化問題について、お客さんの反応>
大きく2つに分かれます。
A店舗「全店有料化なんだ、じゃあ、うちも有料化で」
B店舗「うちだけでも無料で配りたい!」
ボクの体感としては、B店舗のような反応が非常に多いです。
じゃあ、なんで無料で配りたいのか?
理由は様々です。
「今まで無料だったのに」
「お客さんに悪い」
「うちだけ無料で配って、集客につなげたい」
「1円や2円の金額を取り扱いたくない」
なるほど。
それでは、「現実的には」たった一つの解決策を伝えます。
「バイオマスを25%以上配合」するということです。
<レジ袋無料配布 経済産業省が示す3つの方法>
「いやいや、松浦さん、たしか3つくらい方法があったはずじゃ?」
はい、確かにそうなんですが、現実的にはバイオマスだけっす。
それを説明しますね。
実は経済産業省は3つの無料配布の方法を示しています。
1)厚さ0.05㎜以上の袋で、表示してある袋・・・くり返し使えるため
2)海洋生分解性プラ100%の袋で、表示してある袋・・・環境配慮パッケージのため
3)バイオマス配合25%以上で、表示してある袋・・・環境配慮パッケージのため
しかしながら、前述のとおり、
現実的には「バイオマスを25%以上配合」しかないのです。
「現実的には」ということがポイントなんですが、
お話しますね。
1)厚さ0.05㎜以上の袋で、表示してある袋
これが現実的には「ダメ」なんです。
結論から言うと、この袋は基本的に作ることができません。
通常、レジ袋って、0.02㎜とか、
薄いものだと0.015㎜とか、もっと薄いものなんですよね。
はっきり言うと、0.05㎜の厚みだと、
製造ラインに通らないのです。
だいたいの会社で0.035㎜まで。
がんばって、0.04㎜まで。
それ以上になると、製袋(せいたい)と言って
袋の形にする加工ができないのです。
(例外2つ)
※アームバッグとか呼ばれる、アパレルで使っている分厚いバッグはラインが違うので可能です。まあ、めちゃ高くなります。
※ローデンポリと言われる、しなしなのポリ袋でも0.05可能なのですが、これもめちゃ高くなります。
だから、あまり現実的ではない
2)海洋生分解性プラ100%の袋で、表示してある袋
これも「ダメ」です。
現実的には開発はまだ実用化レベルじゃないので、
中小企業で現実化するのはまだ3~5年以上先かな?
3)バイオマス配合25%以上で、表示してある袋
もう、これしか残されていません。
これが唯一、現実的な無料配布方法と言えます。
ざっくりですが、価格は25%くらい上がるでしょう。
(ざっくりなので、目安として)
<パケマツ的見解>
ボクの予想だと「有料化に世間もお店もすぐに慣れます」ということ。
今はB店舗みたいに「うちだけでも無料で」と考えている店舗が多いです。
でも、ちょっと振り返って考えてみてください。
ちょっと前まで騒いでましたよね。
「スーパーがレジ袋を有料化するんだって、けしからん!」
こう言ってた人も、今はすっかり、マイバッグなどを持参してスーパーに行きます。
お客さんもすぐになれますよ。
<全体最適か、部分最適か>
ここでこんな風に考える人も出てくるかと思います。
「うちだけ無料にして、これを集客ポイントにしよう」
でも、考えてみてください。
全体最適なのか、部分最適なのか?
脱プラ化、環境問題は地球規模で取り組む問題です。
自社だけが、自社の利益のために、逆走してもいいのでしょうか?
実はボクにとっては、このような話をするのは短期間的には痛いのです。
なぜなら、パケマツもレジ袋を販売しているからです。
有料化になったら、売上がその分、減るのが間違いないのです。
部分最適、パケマツ最適で考えると、レジ袋は無料の方がいいのです。
でも
全体最適、環境問題を考えると、レジ袋は有料の方がいいと思って、ブログを書いております。
<ちなみに、、、イオンでは>
レジ袋を無料で配布できるバイオマス配合の条件を満たしているのに、
販売をしております。
「レジ袋の材質は環境にいいバイオマスを使います。
さらに、使用量も削減するために、有料で販売します」
ということなんでしょうね。
この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。