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2020年03月1日

【誰に、何を、どのようにを変えろ】~くりや様ベンチマークツアー~

マーケティングの基本
「誰に、何を、どのように」

これを全て変えてしまえば
未知の新境地が開けるんじゃないだろうか?

さて、ではお米の場合。
一般的なのは「老若男女に、お米を、美味しさで」でしょうね。
じゃあ、どうやって変えていきましょう?

<くりや株式会社 ベンチマークツアー>

2020年2月27日(木)
香川経営研究会ベンチマークツアー2社目に訪問させて頂いたのは
さぬき市で美味しいお米を販売!
くりや株式会社です!

経営理念は

「わたしたちは自然の恵みに感謝し お米の魅力を伝えていくことで 関わる全ての人に感動と喜び そしてやりがいを与えられる米屋です」

経営理念の中に「米屋」と入っている。
ここに徳永真悟社長の米に対する「覚悟」を感じます。

<先代社長の言葉>

徳永さんは一族直系の息子として、事業を引き継いだわけではないそうです。
「嫁婿」として、事業継承した徳永さん。

事業継承の心得として、
先代(奥様のお父様)より3つの言葉を頂きました。

1 商売は変えても良い
2 長く続けることが大切
3 大局的に物事をとらえる目を養え

これを聞いて、徳永さんは度肝を抜かれたそうです。
「商売変えてもいいってことは、米屋を辞めてもいいってこと?」

そうなんです。
もし、徳永さんに米が向いてないなら辞めてもいいと言ったのです。

そして、、雇用の問題もありますし、
企業としては長く続けることが大切。

そして、短期的な利益や、快楽に流されず。
「大局的」に物事を見ろってことなんですね。

これを聞いて徳永さんは
逆に「米屋」にこだわることになります。
理念にも「米屋」を入れたわけですから。

先代の思いが伝わった瞬間鴨知れませんね♪

<徳永流 今後の方向を決めるときのバランス>

・やりたいこと
・やれること
・もとめられること

この3つのバランスをとるそうです。
そうでないと、
自分が楽しいだけの方向に突っ走って、戻ってこれない可能性があるからだそうです。

<大切にしたい3つの価値観?>

・人には無限の可能性がある
・事実は一つ、解釈は無限
・やった人しか次の答えは出ない

<決まらない商談スタートの2パターン>

くりやさんはお米屋さんなので、飲食店や百貨店や
お客さんからよく言われるそうです。

「とりあえず見積もり」
「とりあえずサンプル」

実はここからスタートするお仕事の依頼は
かなりの確率で失敗するそうです。

「とりあえず」というのがやっかい!

ボクも経験ありますが、

「とりあえず見積もり」の場合は
「安さが基準」ってことですから
決まらないし、決まってもロクなことない。

「とりあえずサンプル」の場合は
「連絡くれたし、何もなしで帰すの悪いし」ってなりがち。
興味がもともとないから、決まらない。

「とりあえず見積もり」
「とりあえずサンプル」

この2パターンはとにかく成約率が悪い(泣)

<ホームグランドで戦おう>

数年前に、くりやさんは会社を移転!
その時に最新鋭の工場へ変えました。

この工場にお客さんを呼ぶようにしたそうです。

「まず見積もり」
「まずサンプル」じゃなくって、
「まず、会社を見に来てください」ということです。

すると、
徳永社長のお米に対する熱い想い!
そして、素晴らしい環境で作られるお米!

これを見てほとんどのお客様は
「よし、くりやさんと取引しよう」となるそうです。

ホームグランドで戦うってことは
こういうことなんですね。

<オコメールの誕生>

お米って、基本的に
「老若男女に、お米を、美味しさで」で売るんですよね。
だから、判断基準が「安さ」になってします(汗)

「これをどうにかできないか?」

そんな風に考えた徳永さんが考えたのが「オコメール」

お米1合で厚み10㎜、
2合で厚み17㎜という薄いパッケージに身を包んだお米!

デザイン面積が広いので、
自由にデザインができます。

これがなんと
「企業ノベルティ」として大ヒット!

「老若男女に、お米を、美味しさで」ではなく
「企業に、自社アピールを、オコメールで」と
まったく価値を価値を変えたのです。

つまり、競合他社がいない!
戦わない経営、さすがです!

<人間がAIに勝てるのは?>

最後に徳永さんがいわれたのは、
今後、AIが進化していく中で、
人が大切にしたいことであり、勝てるポイントです。

それは

<課題の抽出>

何に面白いと感じるのか?
何にドキドキするのか?

効率や、問題解決方法はAIがやってくれる。
でも、AIができないところ。
それが「課題の抽出」!

なるほどね。
誰が、お米をノベルティに使おうと思った?
AIが、お米を薄くパッケージしようと想像できるか?

そんな風に感じさせて頂きました!

徳永社長、ありがとうございます。

ボクも「誰に、何を、どのように」
変えるように、考えていきます!

<くりや株式会社>

https://www.kuriya.jp/

この記事を書いた人

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パッケージマーケッター 松浦陽司

1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。

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