株式会社青木光悦堂 「こころなごむ故郷の銘菓」
株式会社青木光悦堂 代表取締役 青木隆明様
売り場を見ると新しい発見がある。京都の老舗が考える銘菓のブランド戦略とは。
創業は明治25年。京都は祇園に建立された臨済宗建仁寺派の大本山「建仁寺」に縁をもつ老舗の菓子問屋がある。菓子職人の魂がこもった『心なごむ故郷の銘菓』他、数多くのお菓子を提供しているだけでなく、信用と感動、そして喜びを創造する企業として多くの人に愛され続けている。それは売り場にヒントがある。売り場を見れば、老舗が考える銘菓のブランド戦略が見えてくる。株式会社青木光悦堂の青木隆明社長(以下、敬称略)にお話を伺ってきました。(取材日:2018年10月23日)
- 松浦
- 以前に一度講師としてセミナーに呼んでいただいたことがありましたね。
- 青木
-
そうですね。京都府菓子卸商業組合のセミナーで勉強会をした時ですね。
京都の菓子問屋は自社ブランドを持っていることが多いんですが、
いざ自社ブランドを強化していくにはどうすればよいかという話になった時に
中身も大事だけど、パッケージも大事だよね…ということになって。
それでパッケージの先生を呼ぼうということで松浦さんに声をかけさせてもらいました。
- 松浦
-
ありがとうございます。
ちょうど私がセミナーや講演で講師として喋り始めた頃でしたかね。
- 青木
-
著書を出されていましたね。Facebookも拝見しておりました。
たしかその前に松浦さんの話も聞いたことがあったかな。
喋りのスピード感と事例の多さ、パッケージを捉える切り口、
何よりも変化を見る目がスゴイと感じました。
- 松浦
- ベタ褒めしていただいて、ありがとうございます(笑)
- 青木
-
パッケージ屋さんだけど、デザインの要素もしっかりと持っているしね。
それで(京都府菓子卸商業組合に)お招きしたんですよ。
- 松浦
-
それから何年か経って、京都でお会いしたんですよね。
その際に今回のお話をいただいた。
- 青木
-
ちょうどね、自社のパッケージを変えようかという風になってて。
タイミングが合ったね。
- ▲今回リニューアルしたパッケージ
- 松浦
-
ちなみにパッケージ松浦に頼んでみてどうでしたか?
他のパッケージ屋さんとの違いって何かありますか?
- 青木
-
一番やってよかったなーと思ったのは、POPの作り方講習。たしか2回やってくれたかな。
デザインの着眼点や切り口…見えるところが違えば、こうも受ける感じが変わるものかと。
スーパーのバイヤーが何を望んでいるのかが、よく分かりました。
- 松浦
-
バイヤーが欲しいのはパッケージが欲しいのではなく、売れる商品が欲しい。
利益を生み出す商品が欲しいというのが本音なんですよね。
- 青木
-
実にその通りです。
パッケージを望んでいるわけではないし、味を望んでいるわけでもない。
そこがうちの営業マンに響いたんですよね。
「じゃあパッケージをどうしようか?」ということになったので、
それはうちの会社としても良かったです。
- 松浦
-
(徳島でも)キョーエイで売ってますよね。結構見ています。
実際に売れ行きがどうなのかも聞いています。
今までのパッケージではあえて京都色を抑えていたのですが、
今回のパッケージでは京都色を前面に出した。
- 青木
-
今回はスーパー向けの商品というよりも、高質店舗向け。
東京都内の狭い売り場の中で「メイドイン京都」がハッキリとイメージできるような、
そんな商品が欲しかったんですよね。
- 松浦
- 成城石井とか。
- 青木
-
そう。その売り場を松浦さんが見に行かれ、独自分析をし、フェースの取り方だとか、
様々な提案をしてくださったのも、うちの社員は喜んでいました。
自分たちの売り場を見る目線とは違うんだな、って。
- 松浦
-
東京へ行った際に、渋谷の成城石井の店舗を見に行ったんですよね。
圧縮陳列に、高いところまで商品が陳列してあって・・・。
こんなにも徳島のスーパーと異なるのかって、私も勉強になりました。
- ▲POPセミナーでは青木光悦堂の社員さんに満足いただきました
- 青木
-
パッケージや、広くブランディングの依頼をする際によくあるのが、
こんなイメージやあんなイメージ、明るくしたり暗くしたりと作ってもらうんだけど、
それだけの情報だけで出来上がってくるパッケージや、あるいはブランドと、
今回のように会社の歴史や、商品の流れ、どこに売りに行くのか、対象は誰なのか、
そういうのを聞いたうえで作ってもらうのとでは仕上がりが違うと思うんですよね。
そういう意味では大変満足しています。まだまだこれからPRし甲斐がありますね。
- 松浦
- 今回の商品はこれからが売り出しですよね?
- 青木
- そうです。そういう意味ではまだスタートラインに立ったばかり。
- 松浦
- ちなみに現在商品はどちらで販売されているんですか?
- 青木
- 京都駅の2階にある「お土産街道」というところだけですね。
- 松浦
- 外国人観光客も多そうですね。
- 青木
-
実際のところ、国内からの問い合わせも多いですよ。
今回のパッケージは淡い色で、京都らしい「はんなり」した色ですし、
売り場に入った時にどういうパワーや効果があるか楽しみですね。
- 松浦
-
楽しみですね。
最後に、パッケージ松浦に今後望むことって何ですか?
- 青木
-
お菓子全体のブランディングですね。
弊社の定番商品は赤いラベルがイメージになっているんですね。
一方で季節商品やフェア商品などでは、また異なる。
それらをどのようにリンクさせるのか。シリーズ商品としてのブランディングですね。
- 松浦
- 全体のブランド像についてですね。
- 青木
-
一本化したブランドが必要なのか?あるいは必要でないのか?
どの新商品を出したとしても、どの包材を使用したとしても、
青木光悦堂としてのにおいを醸し出せるようであればいいなあと思いますね。
異なる商品でも「青木光悦堂やで」と言えば「あーなるほど」となるような。
- ▲定番商品の赤いラベルとはこんなイメージ
- 青木
-
実際問題、Web上でも同じ現象が起こっています。
定番商品とギフト商品が同じページの中に混在しています。
整理しないといけないですね。
その中で、現存の競合商品とどう戦っていくか?
その辺のご提案を松浦さんに望みます。
- 松浦
-
ブランドの統一、ギフト、そして競合商品とどう戦うか。
もう一度売り場を見て分析してみますね。
- 青木
-
ありがとうございます。
そういう目線で見てもらえたら、何か新しい発見があると思います。
- 松浦
- 本日はどうもありがとうございました。
株式会社青木光悦堂 「こころなごむ故郷の銘菓」
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