【そのバナナの価値は「味」ではなかった！見る角度を全く変えて売れたバナナ！その名は「ラカタン」！】

おはようございます。
世界初、徳島発、パッケージマーケッターの松浦陽司です。

アナタはバナナはお好きですか？
今日は「味」ではなく、違う価値で売れたバナナのお話です。

●強みは表現すべきもの　～伝わらないとないのと同じ～

よくケーキ屋さんのオーナーに
「アナタの会社の強みはなんですか？」と聞くと、
「そりゃ、味だよ」と答えてくれます。

でも、これだけじゃダメなんです。

私が「ではオーナー、近所のケーキ屋さんはどうですか？」と聞くと、
「うーん、まあまあ、美味いな」と答えてくれます。
「ちなみに、最近のコンビニスイーツはどうですか？」と聞くと
「この間食べたコンビニスイーツ、めっちゃ美味かった！」と言ってくれます。
そうです。
味に差別化がないんです。
不味いケーキが存在しなくなっているんです。

いくら強みが「味」とは言ってもそれだけじゃダメ！
他に心を動かす情緒的価値が必要なわけです。

「でも、オーナー、こんなに長く続いているケーキ屋です。
他に強みはありませんか？」と聞くと、
「そうだね、そう言われたら私は絵が上手くてね。
ケーキにイラストが書けるよ。
仮面ライダーでも、プリキュアでも、
写真を持って来てくれたら似顔絵でも書けるよ！」ということがあります。

そうです！これが真の強みです！
でも、表現をしてなかったら、お客さんは知りません。
伝わらないとないのと同じなんです。
だったら、積極的に強みを表現していきましょう！

●強みを再発見しよう　～自社では見えてない能力が隠れているかも～

「ラカタン」というバナナをアナタはご存知でしょうか？
あまり有名じゃないので、知らないかも知れませんね。
でも、この「ラカタン」、実はとってもよく売れているのです。

発売元のドールさんでは、常に「美味しいバナナ、より甘みのあるバナナ」を追求して商品開発を進めておりました。
ここに別の会社の研究員が中途入社で入ってきた時に疑問に思ったことがあります。
「ドールのみんなは、味のことばっかり言ってるけど、他の価値を見ないな」

そこでこの研究員はラカタンバナナの成分を調べ始めます。
もちろん、周りのみんなは白い目で彼を見ています。

でもこの研究員は遂にラカタンバナナの良さを発見するのです！
「消化吸収がよく、エネルギーに非常に変わりやすい！
これはスポーツをするときに向いているバナナだ！」

そしてネーミングを変えて新発売！
「スポーツバナナ　ラカタン」

これが大ヒットし、今や東京マラソンの公式バナナになったりしてます。
このようにせっかくある強みがあるのに、本人には見えていない可能性もあります。
強みを再発見するときは、常に様々な角度から研究しないといけませんね。

ラカタンバナナのパッケージマーケティングでした！