ローマ法王に米を食べさせた男!~13,000円の米が42,000円になった価値のつくり方~
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パッケージって面白い weeklyノート 2026-36
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「松浦さんが知る中で、
もっとも面白い価値づけ商品ってなんですか?」
という質問を受けた時に思い出しました。
その商品は、
「神子原米(みこはらまい)」と言います。
そのお話を聞いたのは、
2012年8月18日(土)。
岡山の久米南市にて、
高野誠鮮(じょうぜん)氏の講演に参加したときでした。
石川県羽咋(はくい)市の「神子原米」。
もともと、とてもおいしいお米でした。
ところが、当時は誰も積極的に
売ろうとしていなかったそうです。
羽咋市役所の職員は、
「どうせ、売れないわ」
と、半ばあきらめムード。
そこで、羽咋市役所の
のちに「スーパー公務員」として知られることになる
高野誠鮮さんは考えました。
「このお米をブランド化するには、どうしたらいいだろう?」
そこで思いついたのが、
「有名な人に食べてもらったら、売れるのでは?」
という作戦。
さて、誰に食べてもらうか?
高野さんが最初に考えたのは、
なんと「天皇陛下」でした!
神子原の「神子(みこ)」は、
「皇子(みこ)」に通じるからという理由です(笑)
しかし、天皇陛下には献上米制度があるため、
食べてもらえるのが何年も先になるということで、断念。
その次に考えたのが、
「アメリカ大統領」です!
(当時はブッシュ大統領)
アメリカは「米国」。
つまり、
「お米の国」の大統領だからというのが理由です(笑)
英語で一生懸命に手紙を書いて送ったそうですが、
こちらは返事が来ませんでした。
そして、最後にアタックしたのが、
「ローマ法王」です!
「神子原」=「神の子」。
神の子であるキリストに関係する人物といえば……
「ローマ法王」というのが理由です(笑)
いやーーー。
この発想、普通は出てこない。
そして、紆余曲折を経て、
なんと本当にローマ法王に
神子原米を食べていただくことになったのです。
「ローマ法王ご献上の神子原米」
このニュースが新聞や雑誌などで紹介され、
神子原米の知名度は一気に上昇。
そうしたら、一般の人から
羽咋市役所に電話がバンバンかかってくるようになりました。
「神子原米はどこで売っていますか?」
その質問に、高野さんは答えます。
「百貨店の伊勢丹とか、三越とか、高島屋に売ってますよ」
これがポイントなんです。
実は……
伊勢丹にも、三越にも、高島屋にも
売ってないんです!
なぜ、高野さんはこのように答えたのか?
すると、一般の人は
次に百貨店へ電話をかけます。
「おたくで神子原米を買えるって聞いたんだけど」
その電話が1本、2本なら、
百貨店のバイヤーさんも無視するでしょう。
しかし、何本も何本もかかってくる。
すると無視できなくなって、
百貨店のバイヤーさんが調べて、
羽咋市役所の高野さんに電話をするようになるんです。
百貨店「神子原米を当社で販売したいんですけど」
高野「いいけど、条件は?」
百貨店「一俵、13,000円でどうでしょう?」
高野「いや、それじゃ売らない。一俵、42,000円なら売ってもいいよ」
百貨店「そんな法外な値段では……」
高野「これで嫌なら、買ってくれなくていいよ。他からも声がかかっているので」
百貨店「すみません、その値段で売ってください」
当時、一俵13,000円だったお米が、
一俵42,000円で売れるようになったそうです。
このあたりの駆け引きもおもしろい。

ねー。
この神子原米、
めちゃくちゃ面白い価値づけをしていませんか?
「うちの商品には価値がない」
なんて、諦めない。
自社の商品に価値がないと思うなら、
価値をつける!
そんな不屈の精神を、
高野さんは教えてくれます。
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この記事を書いた人
パッケージマーケッター 松浦陽司
1974年、徳島県徳島市生まれ。著書「売れるパッケージ5つの法則と70の事例」と「売上がグングン伸びるパッケージ戦略」を出版。パッケージマーケティングの創始者。パッケージの企画やデザインだけではなく、商品開発の根幹であるブランディングも行い、多数の成果をあげている。中身商品は同じでも、パッケージを変えただけで売上10倍になったり、単価が5倍になったりする事例を生み出している。その他、執筆活動、講演活動なども行う。ブランド・マネージャー認定協会2級&1級&ミドルトレーナー。








